ポーリッシュポタリーとは

MANUFAKTURAのWEBサイト(https://ceramika-design.com.pl/)では、機能性陶器であるポーリッシュ・ポタリーは「アート」たりえるか?(Is functional ceramics an art?)という自問に対して、

 

Hand-made pottery, decorated according to unique author‘s patterns, becomes an art thanks to the elements: earth, water, wind, fire and the fifth element - the human desire to be surrounded by beauty.

 

土、水、風、火、そして5番目の要素~美しいものに囲まれていたいという人間の望み~があってこそ、アートになるのだ、と自答しています。なんだか哲学的な言葉ですね。美しいものに囲まれていたいからこそ、私たちは日々の料理にも美しい装い~器をまとわせたい。料理そのものに華があるハレの日の器は、何も足さずにシンプルに。シンプルでも美しくありたい日々の料理には、華のある器を添えればいいんです。人工的でない、計算ずくでは生まれない色の調和やわずかなゆらぎ、土の色の温かみが手仕事ならではの、飽きの来ない美しさをあたえてくれます。

ポーリッシュポタリーの原産地・ポーランド南西部のボレスワビエツ地方には、数十もの大小さまざまな工房があり、それぞれのブランドで世界中に輸出されています。POLKAでは、センスの良いポーランド人コレクターに人気のある「MANUFAKTURA」社の製品を販売しています。


ピーコック・アイと呼ばれる、藍色のドットパターンなど伝統的な柄をベースに、新しいデザインが次々と生み出されています。世界中のポーリッシュ・ポタリーファンから愛されており、和食に合う形や柄も多いため日本でも人気が高まっています。


ポーリッシュ・ポタリーの歴史

ポーランド南西部のドイツ国境にある旧シレジア地方の町・ボレスワビエツで産出される粘土は、白色に焼き上がるカオリンを多く含んでいます。この土を使い、ボレスワビエツでは14世紀ごろから陶器製造が行われてきました。プロイセン王国とポーランドを結ぶ主要ルートにあり陶器の流通が進み、陶器職人は17世紀初頭に「ギルド」と呼ばれる同業者組合に統合され、ボレスワビエツ陶器としての製法が確立されて行きました。当時は茶色の釉薬が特徴で、水差しや、蓋付のジョッキなどが多く生産されました。

 

プロイセン王国領であったボレスワビエツは1871年にドイツ帝国に組み入れられます。当時は町の名前もドイツ語でブンツラウと呼ばれ、ブンツラウアーと呼ばれた陶器産業は19世紀後半頃から、柄模様が映える白い陶土が使われます。スタンピングによる装飾技法が編み出され、ピーコックアイと呼ばれるドット模様や花柄など、今でも伝統柄として愛されるデザインが施されるようになりました。

 

1897年にボレスワビエツに陶芸学校が設立され、革新的な技法と創造的なデザインが生みだされ、ボレスワビエツの製陶業が大きく成長します。職人を目指す若者が本格的に技術を学び、のちに彼ら自身が開設した工場のいくつかは、戦後の現代ポーリッシュ・ポタリー工場再建の礎となりました。

 

第二次世界大戦中には陶器工場のほとんどが破壊されてしまいました。しかし、1945年の大戦後にドイツからポーランドに領土が移されドイツ人が撤退すると同時に、ポーランド政府は陶器産業の支援を行い、高品質と芸術性を備えたポーリッシュ・ポタリーの復活に成功します(その誇りを表すため、今日のボレスワビエツ陶器工房の製品にはすべて「HandmadeinPoland」と刻印されています)。一方で、ブンツラウアー時代の陶器を持ち帰ったドイツ人を中心に欧米諸国にその品質が知られ、ポーリッシュ・ポタリーは現代では世界中に愛好家が広まり、芸術的作品が個人コレクターによって収集されると同時に、陶器産業は商業化し多くの製品が輸出向けに生産され、日常的に使用する食器として世界中で販売されています。

(ボレスワビエツの街並み)

ポーリッシュ・ポタリーの製法

ポーリッシュ・ポタリーは、ボレスワビエツ近郊で産出される土を原料に使い、成形、旋削、洗浄、焼成、装飾、施釉、再焼成まで、現在も多くがボレスワビエツにある工房で人手による手法で生産されています。

ポーリッシュ・ポタリーの特徴

ポーリッシュポタリーの特徴的な模様は、スタンプやブラシが使われます。ピーコックアイと呼ばれる、孔雀の羽の模様を模したドット柄が最も有名ですが、他にも様々な、各メーカーに共通の伝統柄模様があります。素朴なカントリー調から現代的でスタイリッシュなものまで、各メーカーでオリジナルのデザインが生み出されていますが、熟練職人による手の込んだデザインは特に「UNIKAT」と呼ばれ、陶器の底に職人のサインが記してあります。

ボレスワビエツ産出の質の高い陶土や釉薬、高温で焼成する製法により、ポーリッシュポタリーは非常に丈夫で、オーブンや電子レンジ、食器洗浄機にも使用できます。共通するサイズやデザインがコレクションにも向いており、母から娘へと長く受け継がれ、またヨーロッパにとどまらず米国、アジアなど世界中で広く愛されている陶器です。



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